美咲が千葉に行っている3月13日は、なんだか不思議な気分で過ごした。
そして今は、なぜか、何か文字を打ち込みたい衝動みたいなものに駆られている。
どういうわけか最近家の戸棚に入っていることが多い、クノールのオニオン・コンソメを飲みながら、今これを書いている。
バイトが終わり、セブンスターを1本燃やしながら家に帰り、コンタクトを外したり顔を洗ったりして、オニオンコンソメにポットの湯を注いで自分の部屋に入ると、なんとなく静かなジャズを聴きたくなったので、相変わらずビル・エヴァンスだが、そのジャズ・ベストに収録されているブルー・イン・グリーンをブルートゥース・スピーカーで再生して、パソコンを開いた。
YouTubeなんて観る気分じゃなかったし、もともとそのためにパソコンを開いたわけじゃなかった。
まずマイクロソフト・エッジという、OSに標準搭載のブラウザを開くとよく見るサイトへのリンクが最大で8つ現れる。俺の場合そこには、YouTube、 Amazon、 ELMS(大学のページ、美咲も来年登録することになる)のリンクが2つ、WEB履修登録サービス(なぜこれが表示されているのかは分からないが、ELMSの重要なサービスの一つ)、そして美咲のブログ、俺のブログ、北海道大学ホームページ(これなんて殆ど見たことがないのになぜここに表示されているのかわからない)の8つが表示されている。
そこからいつものように、美咲のブログを確認した後、自分のページに飛んできた。まあ、出先だし美咲のブログに更新はないだろうと思っていたけれど、一応確認した。
マイクロソフト・エッジというブラウザ(ブラウザというのは、分かるかもしれないが…インターネットブラウザのことで、ウェブページを表示するためのもの。例えばIE(インターネット・エクスプローラ)やFire Foxが有名)はウィンドウズ10に標準搭載されているにもかかわらず、あまり使っている人がいないらしい。それでも俺には便利に感じるし、弊害も特にないので俺は使い続けている。
今はYoung And Foolish(意味は分かるがなんと訳すべきだろうか?既に邦題はありそうだが、俺なら"若気の至り"と訳してみよう)が再生されている。今更だが、このジャズ・ベストはトリオのようだ。しかしこの曲はベースがさりげなすぎるように感じる。俺はそもそもジャズは、特に静かに聴きたいジャズは、ピアノソロが好きだが…静かに鳴るドラムも、どこか切なげで嫌いではない。
今頃美咲はどうしているだろうか。何を考えているときも、何を書いているときも、その思いは消えない。むしろバイト中は忘れようとしたくらいだ…というのも、特に今日美咲は遠くにいるし、夜になって何かトラブルが起きて、ツイートやLINEで知らせてくれたとしても俺は掃除機(俺が英語で文章を書いていたとしたら、cleanerの前にfuckingかgoddamnを置いたことだろう)をかけているためにチェックできないから。俺が掃除機(俺が英語で文章を書いていたとしたら…以下略)なんかを振り回している間に美咲が大変なことになっていると思うと、気が気じゃないし、それでもしかしたら今日の俺の仕事はいつもより汚かったかもしれない。気のせいか、俺のチェック(掃除機がちゃんとかけられているか、ガムテープを持ってチェックする役目)に入ったオバサンがなかなか帰ってこなかったような気さえするぞ?
とにかく、バイト中にiPodをチェックできないのが辛い。まあ、そう言いつつも実は、途中で雑巾を取りに控室に戻ったときに、こっそりチェックして「良かった…」と声を漏らしたけれども…
13日はどうやら、"びゅう"を逃したり、おばあちゃんが窃盗に遭ったり…とえらい一日だったみたいだけど、これからは本当に、何も起きないでほしい。
少なくとも、美咲には無事でいてほしい。
こんなに大切で、気になるのはこの世に本当に美咲だけだよ…
Tenderlyが流れている。この曲は、例のカレーパンの時に、店内で流れていた曲だ。普通のカレーはあまり好きではないけれど、スープカレーはそんなこともない、というところまで似ている俺たちにとって、一緒にスープカレーを食べたのは初めてだった。あのスープカレーはなかなかおいしかった。カレーパンを食べるつもりだったが、結果オーライ以上の結果が得られてよかった。今度、カレーパンを食べよう。本当に。ちゃんと時間を見てからね。
なんだか、美咲のことを愛しているという気持ちが、なぜかいつもよりもとても鮮明に、はっきりと分かる。
俺の体の中に膵臓があるということは意識したことがないし、あると言われても本当にちゃんとあるのかわからないが、膵臓はおそらくあるのだろう。でっかい肝臓ですらそんなものだ。でも美咲への愛が自分の中にあるということは、何よりもはっきりと分かる。俺の体を割ったら溢れてくるんじゃないかってくらい。むしろ、肝臓や膵臓が発見される方が不思議なくらい。
心臓や肺、脳、ペニス、唇に舌はもちろんのこと、肝臓や膵臓、脾臓、小腸などの細胞に入っているミトコンドリアやゴルジ体に「俺が美咲のことを愛していることを知っているかい?Est-ce que tu connais que je l'aime?」と聞いても「もちろん èvidemment」と答えるだろう。とにかくそれくらい。
もちろんいつだって、はっきりと分かっている。だけどなんだか、やっぱり900km離れているせいで気持ちが騒ぎ立てているのか…強く感じてる。
ジャズ・ベストが、最後の曲Peace Pieceを演奏し、再生を終えた。
オニオン・コンソメももう残っていない。
今日はこの辺にしよう。
思いの外、長くなった。
美咲が読むのはもう、おうちについてしばらくしてからになるかな。
でも、移動中の暇潰しに読んでくれてももちろん構わない…というか、却ってその方がいいくらいかもしれない。まあ、好きな時に読んでね。
明日は久しぶりに友達に会う。そもそも「友達と大学や学校の外で約束して会う」ということ自体、1年ぶりくらいだと思う。「友達」というものに対する接し方を忘れたかもしれない。
でもあんしんしててほしい。
俺はどんな時も美咲だけのものだから。
俺の自発的な意思の下で、俺は美咲だけのものになっているから。
だから、だいじょうぶだよ。
それでは、おやすみなさい。
今思ったけど、この内容だけでまた1通、美咲へのある種のラブレターが書けてしまうくらいじゃないか?
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